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【基礎内容】培養液について①

身体の中で起こる受精の場は“卵管(卵巣から子宮までの卵の通り道)”です。したがって、培養液とは、卵管から子宮までに分泌される成分を模倣し、受精の場である卵管に存在している栄養素が含まれている液になります。

<培養液が使われるケース(用途に応じて使う培養液の種類が違います)>

  • 卵や精子を採取する場合
  • 卵と精子を出会わせる場合
  • 卵の移植や培養、凍結を行う場合
  • 採卵(卵子を採取すること)時に使う培養液は、下のような培養液を使います。

ヒト血清アルブミン等の生物由来成分や抗生物質を一切含まない、採卵時の卵子の洗浄用メディウムです。Heparinが含まれているので、血液凝固が抑えられています。透明で卵の視認がし易くとても扱いやすい培養液です。

 

  • ARTで使う精子の調整や受精時に使うものが下のような培養液です。

卵丘細胞の代謝や、IVF時の精子の運動性を高めるために、高いグルコース濃度になっています。採卵後に卵子を休ませる前培養やIVFやICSIを行った後に受精させるためのメディウムとして用いています。

    

現在、ARTの分野で胚の培養に使う培養液には大きく分けて以下の2種類があります。

シーケンシャルワンステップ
特徴3日目から培養液を変える同じ培養液で最後まで培養する
メリット胚のステージに合わせて
必要な物質が含まれている
胚が必要な物質を選択するため
培養液の交換が不要
デメリット培養液の交換時、胚にストレスがかかる浸透圧が上がる可能性がある

当院では、培養器から受精卵を外に出さずに観察できるEmbryoScope+という培養器を使っています。この培養液はワンステップタイプのメリットととても相性が良いため、培養液の交換の必要がないワンステップタイプの培養液を利用しています。

    

今までの写真の中で、ピンク色の液と透明な液があったと思います。では、胚培養用の培養液がピンク色の理由を説明します。

ピンク色はPH指示薬の色です。卵管液はほぼ中性のため、培養液も中性になっていますが、万が一アルカリ性や酸性に偏った場合には⇒アルカリ性:赤色・酸性:黄色になります。

ピンク色の培養液は、体内に近い所で最も生理的になるよう開発されています。したがって、5~7%程度のCO培養器内で平衡化することで生理的なPHに維持できるため、外気のCO濃度(0.03%)だとPHは上昇してしまいます。

したがって、IVFメディウムやSAGE1-STEPなどの培養液にPH変化があった場合にはPH指示薬により液の色が変わります。私達は、この僅かな色の変化を見逃さないよう常に注意をしています。

    

今回はここまで。次回も当院で採用している培養液についてもう少しだけ説明します。

「培養液」と一口に言っても、色んな種類があり、必要なケースに応じて上手く使い分けている事を知っていただければと思います。

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