不妊治療/体外受精 | メディカルパーク横浜

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培養室ブログ
2019.09.28

【設備技術紹介】卵子活性化のお話

 今回はカルシウムイオノフォア(卵子活性化)についてお話します。

 

 まずカルシウムと言えば、骨や歯のイメージが高いかと思います。実際にカルシウムの約99%は骨や歯、残りの約1%は神経伝達や筋肉で使われており、その量は体重の1~2%と生体内で最も多いミネラルなのです。このカルシウムが受精時の卵子を活性化する因子としても必要不可欠な因子となります。

 

 ではカルシウムイオノフォアとは何なのか。

それは細胞膜のカルシウムイオンの透過性を亢進させる薬剤です。

この薬剤で細胞外から卵子内にカルシウムイオンを拡散させ、顕微授精後の卵子活性化を誘導させるのです。まず受精とは、精子が卵子に入り込み、お互いの核が融合する過程です。この過程の中で、カルシウムが重要な役割を担ってきます。

 

 下記の図のように、精子は卵子の細胞膜表面に接着するとPLCζという物質を卵子内に放出します。そのPLCζが結果的に小胞体と呼ばれる器官からのカルシウムの放出を促します。すると反復的なカルシウムイオンの上昇(カルシウムオシレーション)が起こり、卵子が活性化するのです。このカルシウムイオンの上昇は受精が成立する上でとても重要なことであると言えます。

 しかし顕微授精では、精子は細胞膜表面には接着せず、卵子内にそのまま注入してしまいます。するとPLCζを介さないため、カルシウム濃度上昇が不十分となり、受精がうまく成立しない場合があるのです。必ずしも顕微授精で受精しなかった原因がカルシウム濃度による影響とは言えませんが、救済の選択肢としてカルシウムイオノフォアという方法があるのです。

 

 当院では、初回の顕微授精をした結果、『受精しない、受精しにくい』もしくは『受精しても分割がうまくいかない』と判断された場合に適応としております。もちろん患者様のご希望の上で行う治療法なのでご安心ください。10月1日より治療開始となります。

 今後も、新しい治療法や培養液など、ご提供できる環境を築いていければと考えておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。

 

 ご希望の方、適応に関して相談されたい方は診察時に医師の方へお伝え下さい。料金は一回につき¥15,000となります。