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培養室ブログ
2020.03.18

【基礎内容】IVFについて

 体外受精(IVF)とは、女性の卵巣内から取り出した卵子を体外で受精させる治療のことです。1978年にイギリスではじめて挙児が報告されました。

 日本産科婦人科学会の発表によると、IVFによって国内で2017年に5万6617人の子どもが生まれたと発表されました。これは、厚生労働省の統計による17年の総出生数は94万1000人を参考とすると、16人に1人が体外受精で生まれた計算になります。

IVFを含む高度生殖補助医療というものが、私たちの身近な医療行為として確立している事が分かるかと思います。

  

 今回は受精方法の1つであるIVF(振りかけ)についてご説明します。

IVFの方法

 

 

 採卵した卵子の周囲には顆粒膜細胞(卵丘細胞)という細胞がついています。これを卵丘細胞卵子複合体(COC)と呼びます。IVFの場合、COC1個につき濃度10万/mlの精子をふりかけます。卵子と精子を掛け合わせることを媒精といいます。

 

 媒精にはIVFとICSI(顕微授精)の二つの方法があります。

 ICSIの特徴をおおまかに説明すると、前述の顆粒膜細胞を取り除き画像のように針を刺しやすい状態にします。顕微鏡下で細い針を使って1個の精子を直接卵子の細胞の中に入れます。

 

 下の表は↓IVFとICSIの違いをメリットとデメリットの観点から簡単にまとめたものです。

 体外受精を行う際の第一選択は、IVFです。そして、IVFを行っても受精障害により胚発生が期待できない場合やIVFの失敗を回避するためにICSIを選択します。

 

 IVFのメリットをもう少し掘り下げて書いていきます。

自然受精の場合は、排卵された卵子が卵管の中に取りこまれ、射精された精子が女性の体内に入り、腟から子宮、卵管へと進んでいく…という長い過程を経て受精が起こります。IVFの場合は、培養液の中で卵子と精子を出会わせ受精させていますので、長い過程をカットできます。この培養液は、ヒト卵管液のデータに基づいて作られただけでなく、精子の運動性を高め受精のしやすい環境となっています。

 IVFは、卵子を体外で一定期間成熟させる点と胚移植という点を除けば、精子・卵子の相互作用から核融合までのメカニズムは体内受精と同じです。一般治療での妊娠が難しいときは、IVFを検討してみてください。