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培養室ブログ
2021.02.01

【お知らせ】精子処理・取り扱いに関するオプション、試みについて

 メディカルパーク横浜では現在、精子に関する新しい試みの準備をしておりました。大きく2つ、その準備が漸くできましたのでこちらでご紹介をさせていただきます。

1、新しい精子調整キット MIGLIS(ミグリス)

 当院では体外受精(ART)に関して、お預かりした精液を“遠心分離”することで、精子を集めておりました。この方法では多数の精子を回収する事ができますが、遠心分離による負荷は精子にストレスをかけてしまう事が分かっています。

 この遠心分離による精子回収法は多くの施設でも使われているかと思いますし、通常の体外受精や顕微授精でも十分な手応えがあるかと思います。

  

 一方で、昨年におきましては「他院にて凍結された未受精卵をメディカルパーク横浜に持ち込んで顕微授精したい」という方が沢山おりました。

 良い結果につながる場合は良いのですが、問題は結果が思わしく無い場合です。卵子は既に凍結保管されているために“卵子自体の質を変える事は困難”となります。つまり精子で勝負しなくてはなりません。僅かでも何か出来る事は無いか…とジレンマが生じておりました。

  

 精子処理に関しては近年学会で少しずつトピックが挙がり議論されるようになっております。新しい精子調整キットについても同様です。当院では次世代の精子調整キットの中からMIGLIS(ミグリス)というキットを採用する事としました。

 MIGLISは、そのユニークな構造から“効率よく運動精子を回収する事が可能”になっています。勿論、従来の遠心分離による精子濃縮は行わない「やさしい」回収方法になります。

オプションについては主に次のような方を対象として設計しています。

・当院で過去に採卵・顕微授精を行ったが結果が思わしくなかった

・他院で何度か顕微授精を行ったが結果が思わしくなかった

・凍結卵子を用いて治療を行いたい(今後採卵による卵子獲得が期待できない)

注意点は以下の通りです。

・精液の所見が著しく悪い場合はMIGLISがキャンセルとなり従来の処理法に切り替えます

・MIGLIS処理の周期は全て顕微授精(ICSI)となります

・MIGLIS処理には別途オプション代として¥3,000が発生します

  MIGLISを使う事で、負荷をかけずにある程度の精子数を確保する事ができます。ご希望があれば診察時に医師の方へお申し付けください。不明点は培養士へお問い合わせいただければと思います。

  

2、安心な精子運搬容器 SEEDPOD

 現在精液を持参いただく方には、滅菌済みの採精カップをお渡ししているかと思います。精液中の精子は極端な寒暖の影響をどうしても受けてしまいます。遠方から来院される方も増えてきましたが、外気の影響や持ち運びのストレスを少しでも緩和したいという思いがありました。

 

 そこでご紹介するのがSEEDPODとよばれるカップの運搬容器になります。魔法瓶のようなものをイメージしてみてください。外気による急激な温度変化から精液中の精子をケアする事が可能です

 検体をご自宅から持参する事もメリット・デメリットが考えられます。男性側の目線で見ると、「リラックスして採精できる」「仕事の都合含め、自分のペースで採精できる」といった事が考えられるかもしれません。一方、女性側の目線で見ると「持ち運びに気をつかう」という事があるかと思います。

 これから少しずつ暖かくなってきますが、朝はまだまだ冷え込みがあり温度変化が大きい時期が続きます。現在運用方法を調整している段階です。また、容器の貸し出し代として百円前後のご負担を予定しておりますが、何卒ご理解いただければ幸いです。

  

 長くなってしまいましたが…

2021年に入りメディカルパーク横浜では、まずは精子について取り組みを開始していこうと思います。これらサービスが開始される際には、HPにて改めてお知らせさせていただきます。もう暫くお待ちください。