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院長ブログ
2020.01.18

胚移植

体外受精の手技の中で、最も重要なもののひとつが胚移植だと思います。文字通り、子宮内に体外受精で得られた胚を移植する手技であり、ただ単に胚を子宮に入れるだけではありますが、繊細な技術が要求されるものです。良好胚が簡単には得られない患者さんも多く、次の可能性に賭けることが困難な方もいらっしゃるわけですから、我々も神経を使わねばなりません。まさに真剣勝負、です。

ガイドラインや教科書に書かれていることは、①頸管粘液を除去すること、②柔らかいカテーテルを使用すること、③超音波での確認を行うこと、④子宮底部から1-1.5㎝離れたところに移植すること、など、ごく当たり前のことしか記載されておりません。

当院での胚移植の実際ですが、凍結融解胚移植が多く、午前中のうちに融解、アシステッドハッチング(孵化を補助する操作)を行う必要があるため、基本的に午後に行うようにしております。患者さんには採卵・胚移植室で内診台に乗っていただき、まず、腟鏡(子宮の入り口を見えるようにする小さな機器)を腟に挿入、子宮口を洗浄し、頸管粘液を除去します。カテーテルのガイドを子宮に挿入後、経腟(腟からの)超音波で子宮を確認した状態で、隣室の培養室で培養士がカテーテル内に胚をロードして持参、ガイドに挿入して移植します。当院では基本的に経腟超音波を用いておりますが、その方が経腹(お腹からの)超音波を用いるよりも、子宮の様子がよく見えると考えているためです。

もしかしたらご存知の方も多くいらっしゃるかもしれませんが、私の尊敬する先生は、よく「一胚入魂」と仰っておいでです。私もまさに同感で、ガイドライン通りに行うことはもちろんのこと、それを超越した“何か”にすがるような気持ちなのです。患者さんの想いはさらに強いわけですから、毎回かなり緊張しますし、気合を入れて(もちろん入れすぎて失敗しては何もなりませんから、平常心に心がけ)移植するようにしております。

昨年のデータは培養室ブログの方でアップしておりますが、症例も少ないため、まだ何も言える状態ではありません。ただ、それでも毎回の手技を振り返ることでさらに改善の余地はあると考えております。移植後の結果出なかった際には、次周期の移植に入る前に、今回の移植に何か問題がなかったかどうかの検討を行うことは重要です。同じ轍は踏まないよう、心がけているのです。