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院長ブログ
2019.07.15

学会ガイドライン

先日、日本産科婦人科内視鏡学会のガイドラインが届きました。作成に委員として協力いたしましたので、学会からお送りいただいたようです。

ガイドラインの作成ですが、それは大変な作業です。今回委員を務めさせていただいた内視鏡のガイドラインは、5年前に用いられたMINDSというシステムから、GRADEという比較的新しいシステムに変更されて作成されました。MINDSシステムでは、論文のエビデンスレベルに基づき、推奨の強さを記載するものでしたが、GRADEの特徴は推奨の強さをエビデンスレベルだけではなく、価値観や好み、医療資源などを考慮して判定するものです。すなわち、より臨床に即した診療方針を推奨できることになります。

ガイドライン作成にあたっては、“その時点での入手できる最善のエビデンス”を基準にするのですが、例えば、○○の治療に△△は推奨できるか?というようなクリニカルクエスチョン(CQ)に対して論文を検索、その内容を吟味して推奨の強さを決定していくことになります。各担当委員がそれぞれのCQについて記載したものを会議に持ち寄り、委員会での合意率を記載することもGRADEの特徴です。委員の何パーセントがその推奨に賛成したか、が記載されるため、透明性が高いと言えるでしょう。よって、推奨度とエビデンスレベル、委員会での一致率の3つが並んで表記されます。

さて、ガイドラインの内容についてですが、基本的には常識的な範囲を超えてくるようなことはありませんので、日常的な診療で判断していることの確認となることがほとんどです。ただし、医療保険制度は国によって異なりますし、我が国では保険適応となっていないために推奨が難しいことがあります。このような場合には、専門家集団として現時点で保険適応が無いとしてもガイドラインとして推奨できるのであれば、あえて記載することで保険収載することへの後押しにもなります。あるオブザーバーの先生から、厚労省や国へのプレッシャーをかける機会でもあり、そのくらいの気概をもって作成に当たるべきである、というご意見をいただいたことが印象に残っております。

ガイドラインは、その時点でのエビデンスに基づいている以上、日進月歩の医療においてはどうしても時代遅れになっていってしまうことは否めません。数年ごとに改定されるのはそのためです。我々も日々勉強の毎日です。

その“気概”をもって作成したガイドライン様々ありますが、価格も抑えられており(PDFで学会HPからダウンロードできるものもあります)、比較的患者さんにも手に取りやすくなっております。背景が分かると、読み方も変わるかもしれません。