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院長ブログ
2022.02.16

ついに保険適応

すでにニュースなどでも話題となっておりますので、ご存じの方も多いと思います。私は本ブログでも記載してきました通り、基本的には不妊治療の保険適応には賛成でした。

我が国は国民皆保険を持つ国であり、世界的にも誇れる定額で高度な医療が受けられるシステムを有しております。ただし、この国民皆保険にも問題がないわけではなく、そちらについては、以前も本ブログでも記載させていただきました。

具体的には、このシステムの「どの施設、医師であっても同一の医療を提供できる」という大前提に無理があるため、高度な医療が提供できる施設や医師にかかることができる患者さんには大きなメリットがあるものの、施設側が高度な医療の提供のために様々な医療機器を使用した際には、赤字となってしまう場合があるのです。

皆保険においては、その医療主義に対して決められた保険点数のみの報酬となるため(診療報酬は、薬や医療機器など医療材料のみならず、人件費などすべてが含まれます)、そのコストが病院側の持ち出しになってしまうからなのです。そのため、人件費などを節約しなければならなくなり、大学病院などの無給医の存在に繋がっていることも以前お話いたしました。日本全国一律の診療報酬というのは、都市部と地方のランニングコストの違いにも配慮されていないことも問題だと思います。

今回の不妊治療の保険適応ですが、ランニングコストの高いと思われる都市部においては、4月以降も自費診療を続けると宣言しているクリニックもあるとのことです。おそらく、東京などの都市部では採算が合わなくなる施設もあるのかもしれません。一方で比較的採算を度外視てきた大学病院やランニングコストの安い地方においては、保険診療となると増収が見込める施設もあるそうです。いずれにせよ、4月以降は混乱は必至のようです。

私としましては、保険診療で行える治療には制限があるとは感じておりますが、保険診療内での限られた治療でも特に比較的若い方や、不妊期間が短い方などには十分効果があると考えておりますので、4月以降はそのような方々については、まずは保険診療での治療を行いたいと思います。一方、高齢の方や不妊期間の長い方、様々な治療を行っても結果が出なかった方々においては、保険適応内での治療が難しいと考えられるため、場合によっては全て自費診療で行う必要があるかもしれないとも考えております。我が国の保険診療においては、混合診療禁止の原則があるため、残念ながら、保険診療内に自費診療を文字通り混ぜることは許されないからです。

ただ、これまで保険診療で行ってきた他の診療においても、混合診療が認められないが故の不都合はあったわけですから、仕方ないのかもしれません。どのようなシステムや制度においても、何らかの問題は包含しているものではあるでしょう。

しかしながら、4月以降、あまりに患者さんに迷惑がかかってしまうようであれば、厚労省に要望書などを提出してみることも検討すべきかもしれません。その場合には、同じような志を持つ方々のご協力が必要ではあります。その際には、ぜひ、お願いしたいと思います。