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体外受精(基礎編)

今回は不妊治療においても現在最も高度なものになる、体外受精についてのお話ですが、長くなってしまうと思いますので、まずは基本的な内容として「基礎編」としてお話させていただきます。

体外受精とは文字通り、通常女性の体の中で起こる受精現象を体外に取り出して行う治療です。世界初の体外受精はイギリスで卵管に問題のある患者さんに対して行われており、1978年に女児が誕生しております。元々は家畜などの哺乳類で行われていた方法をヒトに応用した治療で、生物学者のエドワーズ博士と腹腔鏡手術のエキスパートであるステプトー博士の二人によって行われているのですが、以前お話させていただいたように、採卵(卵巣から卵をとること)は当初は腹腔鏡で行われていました。1980年代中ごろから、腟から細い装置を挿入して検査可能な経腟超音波が開発され、その機器を用いて採卵することも出来るようになり、現在はほとんどがこの経腟超音波下採卵となっております。

その“採卵”ですが、排卵直前には“卵胞”と言って、卵子の入った袋が卵巣の中に育つため、超音波で大きさを確認することが可能です。お薬や注射なので採卵のタイミングを調整した後に、この卵胞を穿刺し内容を吸引すれば、その卵胞液の中から卵を見つけることが出来るのです。採卵は痛みや出血を伴うこともあるため、麻酔下に行うことも多く、一度に複数の卵子を獲得できるよう排卵誘発剤を用いることが一般的です。このようにして採卵された卵子を精子と培養液の中で受精させ、数日培養すると受精卵を経て、“胚”になります。その胚を子宮に移植することを“胚移植”と呼びます。胚移植は採卵に比べ、非常にご負担が軽い処置になり、通常麻酔などは使用しません。

体外受精に応用される技術として凍結保存がありますが、技術の進歩は目覚ましく、胚凍結の際の障害はほとんどないと言われるようになりました。よって、複数の胚が得られた場合には、双子や三つ子のリスクを避ける意味でも、胚を一個のみ移植することが基本となっており、その他の胚は次回の移植のために凍結保存されることが一般的です。おひとり妊娠・出産した後に二人目に凍結した胚を使用することも可能で、将来の可能性を残すことが出来るのです。さらに、この凍結技術は受精させる前の卵子や精子にも使用できるようになり(歴史的には精子凍結が古いのですが)、以前お話したがん生殖医療として応用されています。

体外受精の登場で卵管の中で起こっている受精現象を可視化することが可能となり、受精障害や胚発生の異常なども確認できるようになりました。さらに凍結技術の発展により、治療の幅が拡大しています。次回はこれらの応用についてお話したいと思います。

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